春先や秋口など、季節の変わり目になると、なぜか頭皮がいつもよりべたついたり、逆にかさついてフケが出やすくなったり、かゆみを感じたりすることはありませんか。それは、気温や湿度の急激な変化に、私たちの身体が順応しようとする過程で、自律神経やホルモンバランスが乱れがちになるためです。頭皮もまた、その影響を敏感に受ける場所の一つ。皮脂の分泌バランスが崩れやすく、バリア機能が低下し、普段は何ともない刺激にも過敏に反応してしまうのです。このような「ゆらぎ頭皮」の状態の時こそ、普段使っているシャンプーを見直す絶好の機会かもしれません。私が季節の変わり目に意識しているのは、いつにも増して「優しさ」を重視したスカルプケアです。具体的には、洗浄力がマイルドなアミノ酸系のメンズスカルプシャンプーを選ぶようにしています。強い洗浄力で皮脂を根こそぎ奪ってしまうと、低下しているバリア機能がさらに損なわれ、乾燥やかゆみを助長しかねないからです。優しく洗い上げつつも、グリチルリチン酸ジカリウムなどの抗炎症成分が配合されたものを選べば、ゆらぎがちな頭皮を穏やかに鎮めてくれます。また、この時期はシャンプーの洗い方にも一層の注意を払います。ぬるめのお湯で時間をかけて予洗いし、指の腹で頭皮をマッサージするように洗い、そして何よりもすすぎを徹底する。この基本動作を丁寧に行うだけで、頭皮への負担は大きく変わります。季節の変わり目の不調は、頭皮からのSOSサインです。そのサインに耳を傾け、日々のシャンプーを少しだけ特別なケアに変えてあげること。それが、一年を通して健やかな頭皮を保つための、大人の男性の嗜みなのではないでしょうか。