抜け毛や薄毛の悩みを抱えたとき、多くの人が育毛剤やシャンプーといった外側からのケアに目を向けがちです。しかし、そもそも髪の毛は私たちの体の中から作られるもの。その材料となる栄養が不足していては、どんなに高価なケアを施しても健やかな髪は育ちません。抜け毛予防の基本は、毎日の食事にあるのです。髪の健康を支える上で最も重要な栄養素は「タンパク質」です。髪の主成分であるケラチンは、複数のアミノ酸が結合してできたタンパク質の一種。そのため、肉、魚、卵、大豆製品など、良質なタンパク質の摂取は不可欠です。タンパク質が不足すると、髪が細くなったり、十分に成長できずに抜けやすくなったりする直接的な原因となります。次に、そのタンパク質を髪の毛へと作り変える際に不可欠なのが、ミネラルの一種である「亜鉛」です。亜鉛は、体内でタンパク質を合成する酵素を活性化させる重要な役割を担っています。いくらタンパク質を摂取しても、亜鉛が不足していては効率よく髪を作ることができません。亜鉛は牡蠣やレバー、牛肉などに多く含まれますが、吸収率が低い栄養素でもあるため、意識的な摂取が求められます。そして、これらの働きを円滑に進める潤滑油の役割を果たすのが「ビタミン類」です。特に、頭皮の細胞分裂を促し、新陳代謝を活発にするビタミンB群、血行を促進して毛根に栄養を届けるビタミンE、そしてコラーゲンの生成を助け、健康な頭皮を維持するビタミンCは、美髪に欠かせないビタミンと言えます。これらの栄養素は、どれか一つだけを大量に摂取すれば良いというわけではありません。それぞれが互いに協力し合って働くため、バランス良く食事に取り入れることが何よりも大切です。日々の食卓を見直し、髪の材料となる栄養をしっかりと体に届けること。それが、揺るぎない髪を育むための最も確実な一歩となるのです。
抜け毛対策は食事が九割!必須栄養素を知る