栄養士が解説するグルタミンと髪の毛の深い関係
今回は、アスリートの栄養指導も手掛ける管理栄養士(架空)に、グルタミンと髪の健康について、専門的な見地からお話を伺いました。「グルタミンが髪に良い、という話を聞いて、多くの方が『グルタミン=髪の栄養』と直接的に考えてしまいがちですが、その関係はもう少し複雑で、そして奥深いものです。私が注目するのは、グルタミンの『腸管のエネルギー源』としての役割です。小腸や大腸の細胞は、エネルギー源としてグルタミンを優先的に利用します。つまり、グルタミンが十分に足りていると、腸の粘膜が健康に保たれ、バリア機能が正常に働くのです。腸は、私たちが食べたものから栄養素を吸収する唯一の器官です。この腸のコンディションが悪ければ、いくら髪に良いとされるタンパク質やビタミン、ミネラルを摂取しても、効率的に体内に吸収することができません。つまり、グルタミンは、髪の栄養そのものであると同時に、その栄養を身体に取り込むための『玄関』を整備してくれる、非常に重要な役割を担っているのです。また、グルタミンは免疫細胞のエネルギー源でもあります。ストレスや疲労で免疫力が低下すると、身体は様々な不調をきたしますが、頭皮環境も例外ではありません。免疫力が低下すると、頭皮が炎症を起こしやすくなったり、常在菌のバランスが崩れたりして、抜け毛やフケの原因になることもあります。グルタミンを適切に補給し、免疫機能をサポートすることは、巡り巡って頭皮を健やかな状態に保つことに繋がります。髪の毛という末端の組織は、身体全体の健康状態を映す鏡です。グルタミンを通じて、身体の根幹である腸や免疫を整えることこそが、本質的なヘアケアに繋がる、と私は考えています」。