AGA治療を長期間継続している患者の間でまことしやかに囁かれる噂の一つに薬に耐性がついて効かなくなり再び抜け毛が増えるというものがありますが医学的な観点からこの耐性説を検証するとAGA治療薬に関しては抗生物質のように菌が耐性を持つといったメカニズムとは異なり薬理学的な耐性が形成されることは極めて考えにくいという結論に至ります。フィナステリドやデュタステリドは酵素の働きを物理的に阻害する薬剤でありその作用機序が変わることはないため基本的には飲み続けている限り同じ効果を発揮し続けるはずです。それにもかかわらず実際に長期間服用している患者の中には数年経過した頃から再び抜け毛が増えたり薄毛が進行したりするケースが存在するのは事実でありこれが耐性の噂の根拠となっていますがその正体は薬が効かなくなったのではなくAGAの進行する力が薬の抑制力を上回ってしまった状態であると考えるのが妥当です。AGAは加齢とともに進行する疾患であり年齢を重ねれば重ねるほどテストステロンの分泌量やホルモンバランスの変化毛包の感受性の変化などにより薄毛になろうとする圧力は強まっていきます。つまり若い頃はフィナステリド1mgで十分に抑え込めていた進行圧力が年齢とともに強くなり薬の壁を突破してしまうことで再発したように見える現象が起こるのです。このような場合対策としては耐性がついたと諦めるのではなく治療内容を強化することが必要となり具体的にはフィナステリドからより強力なデュタステリドへの変更やミノキシジルの併用内服薬の増量などを検討します。また加齢による頭皮の血行不良や代謝低下が薬の効果を邪魔している可能性もあるため生活習慣の見直しや頭皮ケアの強化も有効な手段となります。耐性という言葉に惑わされて自己判断で薬を止めてしまったり頻繁に種類を変えたりすることはホルモンバランスを乱し逆効果になりかねないため効果が落ちてきたと感じたらまずは医師に相談しそれがAGAの進行によるものなのか別の要因によるものなのかを見極め戦略的に治療プランをアップデートしていくことが長期的な維持を成功させるための正攻法と言えるでしょう。