日々の診療においてAGA治療を躊躇する患者さんや治療中に不安を訴える患者さんから最も多く聞かれるのが「薬を飲んでかえってハゲたらどうしよう」「初期脱毛が怖くて踏み出せない」という声ですが医師の立場から申し上げますと脱毛という現象を恐れるあまり治療の機会を逃してしまうことこそが最も避けるべきリスクです。まず医学的に断言できるのはAGA治療薬自体に健康な毛根を破壊して恒久的な脱毛を引き起こす作用はないということであり初期脱毛はあくまでヘアサイクルの正常化に伴う一時的な通過儀礼に過ぎません。例えるならそれは腐りかけた建物を一度解体して堅牢な新築ビルを建てるようなものであり解体中の瓦礫(抜け毛)を見て「建物が壊されている」と嘆くのではなく「新しいビルが建つ準備が進んでいる」と捉えるべきです。また脱毛の量についても個人差があり全ての人が大量に抜けるわけではなく全く気にならない程度で済む人も半数近く存在します。もしあなたが脱毛に対して過度な恐怖心を持っているならばまずは低用量の薬から始めたり外用薬のみからスタートしたりして徐々に体を慣らしていくスモールステップの治療計画を立てることも可能です。さらに万が一初期脱毛が辛いと感じた場合でもマイクロスコープを使って頭皮を観察すれば毛穴から新しい産毛が顔を出している様子を確認することができその視覚的な情報が大きな安心材料となるはずです。医師は患者さんの不安に寄り添いメンタル面のサポートを行うことも重要な仕事ですので一人で悩まずに相談してください。治療中の抜け毛は孤独な戦いになりがちですが私たちが伴走者として医学的な根拠に基づいたアドバイスと励ましを提供します。AGAは進行性の疾患であり放置すれば確実に髪は失われていきますが治療を始めれば一時的な脱毛のリスクはあるものの最終的には髪を取り戻せる可能性が高いのです。「何もしないで失う」のと「一時的な痛みを伴って取り戻す」のとどちらがあなたの人生にとってプラスになるかを冷静に考えてみてください。恐怖の先には必ず自信に満ちた未来が待っています。