僕がAGA治療でエクソソームを選んだ理由
三十歳を過ぎた頃から、僕の髪は静かに、しかし確実にその勢いを失っていきました。最初は内服薬によるAGA治療を開始しましたが、数ヶ月経った頃から身体に言いようのない倦怠感を感じるようになり、副作用への不安から治療を中断せざるを得ませんでした。しかし、薄くなっていく髪を見るたびに自信は削られていく。そんな八方塞がりの状況で出会ったのが「エクソソーム治療」という選択肢でした。自分の身体が持つ再生能力を利用するというコンセプトに、直感的にこれかもしれない、と感じたのです。カウンセリングでは、医師が私の不安を丁寧に聞いてくれました。薬ではなく、細胞由来の成分を用いるため、全身性の副作用のリスクが極めて低いこと、そして対処療法ではなく、頭皮環境そのものを改善することを目指す治療であることを知り、僕の心は決まりました。施術当日、頭皮に直接注入すると聞いていたので痛みへの恐怖がありましたが、実際には冷却しながら丁寧に行われ、チクチクとした軽い刺激を感じる程度でした。施術時間は三十分ほど。その日は少し頭皮に赤みが出ましたが、翌日にはすっかり引いていました。本当の変化を感じ始めたのは、三回目の治療を終えた一ヶ月後くらいからです。シャワーの時の抜け毛が、明らかに減ったのです。そして、髪をかき上げた時の指先に、以前にはなかったハリとコシを感じるようになりました。鏡を見ると、髪一本一本が力強く立ち上がっているように見えます。まだフサフサになったわけではありません。でも、これは紛れもなく僕の髪が息を吹き返している証拠でした。エクソソーム治療は、僕にとってただ髪を取り戻すための治療ではありません。薬への不安から解放され、前向きな希望を持って自分と向き合うための、新しい扉を開けてくれたのです。