M字はげが気になり始めた男性が、まず最初に頭を悩ませるのが「前髪の扱い方」ではないでしょうか。「隠すべきか、出すべきか」「どのくらいの長さにすれば目立たないのか」。前髪は顔の印象を大きく左右するパーツだからこそ、そのスタイリングは死活問題です。しかし、多くの人が陥りがちなのが、「とにかく隠す」という発想に固執してしまうことです。この「隠す」という行為が、かえってM字はげを強調し、自信のなさを露呈してしまう結果につながりかねません。例えば、長く伸ばした前髪で無理やりM字部分を覆い隠そうとすると、少し風が吹いたり、汗をかいたりしただけで前髪が割れ、「すだれ」のような状態になってしまいます。割れた隙間から覗く生え際は、普通にしている時よりも悲壮感を漂わせ、見る人に痛々しい印象を与えてしまうでしょう。また、常に前髪が額に触れていることで、皮脂や汗、スタイリング剤が頭皮に付着し、毛穴を詰まらせてニキビや炎症を引き起こすなど、頭皮環境を悪化させるリスクもあります。では、M字はげと前髪の最適な付き合い方とは何でしょうか。一つの正解は、「自然にカバーしつつ、軽さを出す」ことです。前髪を重く長くするのではなく、むしろ短くしたり、量を減らして軽くしたりすることで、清潔感を出しつつM字部分をカモフラージュするのです。例えば、前髪を左右非対称(アシンメトリー)にスタイリングすると、視線が左右の長さの違いにいくため、M字の切れ込みが目立ちにくくなります。また、前髪に束感を作り、おでこが透けて見えるようなシースルーバング風に仕上げるのも有効です。完全に隠すのではなく、あえて少し見せることで、自然でこなれた印象になります。さらに効果的なのが、パーマをかけることです。トップや前髪に緩めのパーマで動きとボリュームを出すことで、全体のシルエットが華やかになり、視線が自然と髪の動きに集まります。これにより、生え際のラインから注意をそらすことができるのです。前髪は「隠すためのカーテン」ではなく、「顔の印象をデザインするツール」です。隠すことに固執するのをやめ、自分に似合う軽やかなスタイルを見つけることが、M字の悩みから解放され、自信を取り戻すための鍵となるのです。
M字はげと前髪どう付き合うのが正解か