AGAクリニックを受診すると遺伝子検査だけでなく必ずと言っていいほど血液検査が行われますが「髪の毛の治療なのになぜ血を抜くのか」と疑問に思う方もいるかもしれません。しかしこの血液検査には安全かつ効果的に治療を進めるための極めて重要な医学的理由があり決して無駄な検査ではありません。第一の目的はAGA治療薬を服用しても問題ない健康状態かどうかを確認することです。AGA治療薬の成分は肝臓で代謝され腎臓から排泄されるため肝機能や腎機能に障害がある状態で服用を続けると体に過度な負担をかけ重篤な副作用を引き起こすリスクがあります。そのためAST(GOT)やALT(GPT)ガンマGTPといった肝機能の数値やクレアチニンなどの腎機能の数値を事前にチェックし基準値内であることを確認した上で処方を行う必要があります。またミノキシジル内服薬を使用する場合造血作用によって赤血球数が増加したり心臓への負担がかかったりする可能性があるためヘマトクリット値などの血液一般検査も重要になります。第二の目的は薄毛の原因がAGA以外にないかを除外診断することです。薄毛はAGAだけでなく甲状腺機能の異常や貧血膠原病亜鉛欠乏症梅毒などの全身性の疾患によっても引き起こされることがありもしこれらの病気が原因であればAGA治療薬を飲んでも効果がないばかりか原疾患の発見が遅れて取り返しのつかないことになる可能性があります。血液検査で甲状腺ホルモン値や鉄分炎症反応などを調べることでAGA以外の脱毛症の可能性を排除しAGAであるという診断の精度を高めることができます。第三の目的は治療経過のモニタリングです。治療開始前だけでなく治療中も定期的に(例えば半年に一回など)血液検査を行うことで薬による肝機能への影響が出ていないかや多血症の兆候がないかなどを継続的に監視し異常があれば早期に薬の減量や中止種類の変更といった判断を行うことができます。また中性脂肪やコレステロール血糖値などの一般的な健康状態も把握することで生活習慣の改善指導にも役立ちます。最近のクリニックでは会社の健康診断の結果を持参すれば採血を免除してくれるところもありますが項目が不足している場合は追加検査が必要になることもあります。血液検査は単なる形式的な手続きではなくあなたの健康を守りながら最善の治療効果を得るための命綱でありその数値一つ一つが安全な発毛ライフを支える重要なデータとなっていることを理解し医師の指示に従って検査を受けることが推奨されます。
AGA治療における血液検査の必要性とチェック項目