AGA治療を決意し安くはない治療費を払って薬を飲み始めたにもかかわらず開始早々に抜け毛が劇的に増えてしまうといわゆる初期脱毛に直面した時ほとんどの人はパニックに陥り治療への不信感を抱くものですが医学的なメカニズムを知れば知るほどこの現象は恐怖すべきものではなくむしろ諸手を挙げて喜ぶべき吉兆であることが分かります。なぜ抜け毛が増えることが喜びにつながるのかその最大の理由は薬効成分が毛乳頭細胞や毛母細胞に確実に到達し休止期という長い眠りについていた毛根を強力に覚醒させたという動かぬ証拠だからです。AGAの進行した頭皮には成長を止めて皮膚の下でじっとしている休止期の毛包が多数存在しておりこれらはそのまま放置すればいずれ機能を失い完全に毛が生えてこない状態になってしまいますが治療薬によって強制的に成長期へと誘導されることで再び髪を作る工場としての機能を再開します。この再稼働のプロセスにおいて古い在庫品である弱った髪を廃棄し新しい製品である太い髪に入れ替える作業が必要となりその結果として一時的な抜け毛の増加という現象が起こるのです。つまり初期脱毛は治療が失敗しているのではなく治療が順調に進行し体が薬に対して素直に反応しているというサインでありこれが見られるということはあなたの毛根にはまだ再生能力が十分に温存されていることを意味します。逆に言えばもし強力な薬を使っても初期脱毛すら起きないとしたらそれは毛根が既に死滅してしまっているかあるいは薬の成分に対する感受性が極めて低い体質である可能性も否定できずその後の治療効果も限定的になってしまうかもしれません。したがって初期脱毛が来たということは「自分はまだ治る見込みがある」「薬が効く体質である」という証明書を受け取ったようなものでありその事実こそが最大の喜びであるはずです。もちろん一時的に髪が減ることは見た目のコンプレックスを刺激し精神的な苦痛を伴いますがそれはリフォーム工事中の仮住まいのようなものであり完成後の素晴らしい住環境を手に入れるための一時的な不便に過ぎません。この時期を乗り越えた先には今まで見たこともないような密度の濃い頭髪環境が待っており数ヶ月後には「あの時の抜け毛は必要経費だったんだ」と笑って振り返られる日が必ず来ます。だからこそシャンプーのたびに手に絡まる抜け毛を見て溜め息をつくのではなく「よし効いているぞ」「古い髪よさようなら新しい髪よこんにちは」と心の中でエールを送りながらポジティブに治療を継続することがAGA治療という長い旅路における最初のそして最大の難関を突破するための唯一の正解なのです。